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平地区の熊野神社の横手に正平8年(1353)の年号が刻まれた石塔1基と石仏2基が祀られ、それぞれ「正平塔」、「正平仏」と呼ばれています。
「正平」とは南北朝時代の南朝側の年号で、この地域が南朝側に組していたことがうかがえます。
「正平塔」は砂岩製の三重の石塔で、頂部には宝珠が載っていますが、もとは相輪だったと考えられます。
また、「正平仏」は、阿弥陀如来坐像を浮彫にしたものと十一面観音立像を浅く彫り込んだものがあります。
これらは、熊野神社を再建した時の奉納物で、元は神社の境内にあったことが分かっています。