ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 ホーム > 市長の部屋 > 施政方針

本文

施政方針

記事ID:0009411 更新日:2025年2月21日更新

施政方針
(令和7年2月21日)
令和7年3月嘉麻市議会定例会

 

 本日ここに、令和7年3月嘉麻市議会定例会を招集しましたところ、議員各位におかれましては、大変お忙しい中、ご参集いただき、厚くお礼申し上げます。
 本定例会は、令和7年度の当初予算をはじめ、多くの重要案件について、ご審議をお願いするものですが、提案理由の説明に先立ちまして、私の市政運営に向けての基本方針及び主要な施策について所信の一端を申し述べ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げる次第でございます。 
 まず、初めに、日本経済の状況につきましては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されています。
 また、国の動向につきましては、昨年10月に発足した石破内閣において、「新しい地方経済・生活環境創生本部」が創設され、地方創生の取組が加速することも期待されています。
 しかしながら、本市におきましては、自主財源に乏しい状況であることに変わりはなく、令和5年度一般会計決算では2年連続で、経常収支比率が100%を超えるなど危機的な財政状況となっており、新たな発想による自主財源の確保やより一層の経常経費の削減など引続き、財政再建に取り組まなければなりません。
 その他にも、人口減少や少子高齢化などの課題も多く抱えており、財政再建と魅力あるまちづくりを同時に進めなければならない状況であることを踏まえ、私が公約した事業についても、事業効果の再検証により優先順位を設定し、財政状況に応じて着手するなど、選択と集中の考え方を基本とした事業展開を図っていく所存であります。
 そこで、令和7年度の市政運営では、引き続き、私の公約であります
 ・安定した雇用の創出
 ・住みたいまちづくりの推進
 ・結婚、出産、子育て支援
 ・高齢者が元気で住み続けたいまちづくり
 ・人口減少に対応した持続可能なまちづくり
を課題とし、施策を講じるとともに、第2次総合計画及び本年度末に策定予定の(仮称)嘉麻市デジタル田園都市構想総合戦略を基調に、嘉麻市に住みたい、住み続けたいと思える、持続可能な魅力あるまちづくりを目指し、市民の皆様や議員各位のご意見を賜りながら、市政の運営に邁進する所存でございます。
 それには、昨年に引き続き、第2次総合計画後期基本計画における、「誰一人取り残さない」人権尊重の理念を基礎に、経済、社会、環境等のあらゆる分野においてSDGsにつながっていることを意識しながら、市民の皆様への周知啓発を含め、積極的な取組を進めてまいります。
 また、(仮称)嘉麻市デジタル田園都市構想総合戦略においては、本市の人口減少の克服と地域の自立的かつ持続的な活性化に向け、
 ・「嘉麻市で働きたい」を叶える、安定した雇用を生み出す
 ・「嘉麻市に行きたい!住みたい!」と思える魅力あるまちづくりを行う
 ・安心して結婚・出産・子育てすることが出来る、切れ目のない支援を行う
 ・誰もが住みやすい、安心・安全なまちをつくり、地域と地域を連携する
の4つを基本目標に設定するとともに、取組の基本的な考え方に、デジタルの推進やSDGsの取組をはじめ、昨年、「人口戦略会議」から若年女性人口の推計により、「消滅可能性自治体」と指摘されたことから、「女性が住みやすい嘉麻~ジェンダー平等のまち~」を目指すため、ジェンダーギャップ解消の取組を掲げるなど、国の総合戦略の内容に基調を併せつつも、市独自の取組を進めてまいります。
 それでは、第2次総合計画の基本方針に基づき、具体的な課題や取組を申し述べさせていただきます。
 初めに、基本方針1「豊かな暮らしを支える活力あるまちづくり」に関する取組について申し上げます。
 農業振興におきましては、「国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成」など、多面的機能を維持・発揮すべく、国、県と連携し、「多面的機能支払交付金」及び「中山間地域等直接支払交付金」を活用した農業振興の取組継続・拡大を推進してまいります。 
 また、地域が抱える課題の把握やその解決に向け、地域ごとに農業者や農地所有者等との話し合いを行い、地域計画を作成しており、今後も引き続き課題の把握、解決に取り組んでまいります。
 水田収益力強化ビジョンにおいては、国による情報提供等を踏まえ、高収益作物の導入や転換作物の付加価値の向上などの検討及び支援を実施し、産地強化を図るとともに、担い手不足の解消策として、就農を希望する方に対し、市のみならず県の機関である普及指導センターや地元の農業協同組合などの関係機関と連携しながら、就農相談や就農後の営農指導などのフォローアップを行ってまいります。
 林業振興におきましては、森林環境譲与税を活用した森林経営管理制度の取組として、森林所有者の経営管理に関する意向調査の結果から、 管理の委託などを希望する森林について調査を実施し、林業経営の効率化及び森林管理の適正化の一体的な促進を図り、林業の継続的発展及び森林の有する多面的機能の発揮を推進してまいります。
商工業振興におきましては、令和5年3月に策定した第2次中小企業振興基本計画に基づき、引き続き市内事業者の持続的発展を目標に事業を推進してまいります。特に、企業のデジタル化の促進は、経営判断の迅速化、業務改善による生産性の向上などに対して年々その必要性が増していることから、これを重要施策のひとつと位置づけ、市内事業者向けのアンケート調査を実施・分析することにより、具体的な施策を実行してまいります。
 昆虫産業都市構想推進事業におきましては、昨年度、「嘉麻市昆虫産業都市構想」を策定し、九州大学、国、県、経済・産業団体や市内外の民間事業者と協議を重ね、産学官民連携による体制の構築に取り組んでいます。引き続き、市民をはじめ、関係機関との協働への相互理解を深めるため、本事業を推進し本市の未来に向けた持続可能な産業政策につなげることを目指します。
 企業誘致におきましては、雇用の場の拡充に向け、新たな企業誘致の実現と既存企業の規模拡大を促進するための施策を展開してまいります。 
 喫緊の課題である用地の確保につきましては、民地登録制度の活用と併せ、以前より検討を進めてまいりました工業団地の整備が、本市にとって最重要施策であるという私の考えの下、これまでは、山野地区を第1候補地として事業化に向け慎重に検討してまいりました。
 そのような中、昨年3月議会において、下山田地区事業用地を優先して売却すべきとの議会からのご提案もあり、市内企業を含めた全国の企業5000社に向けて売却情報を積極的に提供し、交渉の準備を進めているところです。
 また、山野地区における工業団地整備の事業化につきましては、昨年の行財政改革調査特別委員会において示しました財政計画により、令和9年度まで保留させていただくことになっております。
 その間、造成工事を含め民間投資を促す新たなアプローチを展開し、財政負担を可能な限り抑制するよう努力してまいります。
 近年の工業団地の急激な需要に対応するためにも、工業団地整備を加速化させたいと考えております。
 また、本市の地域経済の活性化や雇用創出などの重要な役割を担っている既存企業につきましては、市内企業で構成する誘致企業振興会の活動を支援することにより、優秀な人材の確保や技術力の向上、経営基盤の強化等が図られ、さらには奨励措置や国・県等の補助金の活用により、事業拡大を促進するなど、総合的な地域産業の振興を進めてまいります。
 こうした取組により、今後も多様な就業の場の創出を目指し、市への企業誘致の実現に邁進いたします。
 観光振興におきましては、「アウトドアシティ宣言」と「第3次観光振興基本計画」に基づき、デンマークの言葉で豊かな時間の過ごし方や暮らしなどを表す「Hygge(ヒュッゲ)」をコンセプトとした観光まちづくりを進め、アウトドアシティ嘉麻の更なる普及拡大を目指します。
 また、市内には歴史ある酒蔵がありますが、この日本の「伝統的酒造り」はユネスコの無形文化遺産への登録が決定されており、注目を集めています。そして、この日本酒をはじめ、市のバラエティに富んだ貴重な歴史・文化遺産を活用し、嘉麻市観光まちづくり協会や地元事業者と連携して、観光や宿泊を含む体験型コンテンツを構築するなど、今日まで、十分に活かされていなかった貴重な資源を活かした、嘉麻市オリジナルの「歴史・文化遺産を活かした文化観光まちづくり」を推進いたします。
 移住・定住促進におきましては、地域おこし協力隊や嘉麻スタイルを積極的に活用するとともに、一般社団法人全国空き家予防推進協議会との連携、さらには福岡県や東京にある認定NPO法人ふるさと回帰支援センター等の関係機関を通じ、移住支援金などの制度や市独自支援策の住まい応援交付金等のPRを強化し、一人でも多くの移住・定住に繋げてまいります。
 次に、基本方針2「誰もが健やかに暮らせる福祉のまちづくり」に関する取組について申し上げます。
 生涯にわたるいきいきした健康社会の実現におきましては、引き続き、市民の健康づくりへの意識の向上及び主体的な健康づくりを支援するための事業を推進してまいります。
 国民健康保険加入者の健康保持増進及び国民健康保険事業特別会計の経営健全化におきましては、第3期データヘルス計画に基づき、レセプトデータ等の健康・医療情報を活用した上で、飯塚医師会や嘉穂鞍手保健福祉環境事務所等と連携し、特定健診受診率及び保健指導率の向上、糖尿病等の生活習慣病重症化予防に取り組んでまいります。また、効率的・重点的な保健事業への取組により、国民健康保険加入者の健康保持増進や医療費の適正化など、国民健康保険事業の安定的な運営と財政の健全化に努めてまいります。
 高齢者福祉の推進におきましては、「嘉麻市高齢者福祉計画」及び「第9期介護保険事業計画」に基づき、高齢者が要介護状態になっても住み慣れた地域で安心して生活が営めるよう、介護保険サービスの充実をはじめ、健康づくりの推進、介護予防の充実、認知症対策への取組など、地域包括ケアシステムの深化・推進を図るとともに、現行の介護保険料を維持できるよう、適切かつ公平な要介護認定の確保やケアプランチェックなどにより、介護給付の適正化をさらに進め、介護保険制度の安定的な運営に努めてまいります。
 また、次期「嘉麻市高齢者福祉計画」及び「第10期介護保険事業計画」の策定に向け、高齢者の生活の実態などを計画に反映させるため、関係機関や市民の意見を求めるアンケート調査を実施いたします。
 子育て支援の充実におきましては、本年度末に策定予定の「嘉麻市こども計画」を踏まえ、各種事業を計画的に推進するとともに、SNSやホームページ、子育てガイドブックなどにより積極的に情報発信を行い、「すべてのこどもが夢を持ち、生涯しあわせに暮らせるまち 嘉麻」を目指します。
 市独自の取組といたしましては、保育料の軽減、高校生までの医療費全額無料、障がい児保育支援事業、将来を担う子どもの誕生を祝う「すくすくかまっこ祝金」の支給を継続して実施するなど、子育てに関する継続的な支援体制の充実を図ります。
 また、令和7年4月より学童保育所運営業務の民間委託を行い、19時までの延長保育導入をはじめ、さらなる市民サービスの向上と学童保育の安定的な運営維持を図ります。
 妊娠、出産、子育てに対する切れ目のない支援におきましては、国・県の補助事業である「妊婦のための支援給付」により、現金または電子ポイントを給付し、子育て世帯の経済的負担の軽減を図るとともに、伴走型相談支援や産後ケア事業の充実、乳幼児健診や発達支援事業の連携など、継続的な支援に努めてまいります。
 児童虐待につきましては、引き続き関係課や 児童相談所などの関係機関と連携を強化することで、未然防止と早期発見 早期対応に努めるとともに令和6年度に設置した「嘉麻市こども家庭センター」を中心に母子保健、児童福祉、子育て及び教育の相談等に対する支援事業の一体的な実施に向け、切れ目のない総合的かつ継続的な支援の実施に努めてまいります。
 ノーマライゼーションの理念に基づく障がい者福祉の充実におきましては、「第4期障がい者計画」及び「第7期障がい福祉計画・第3期障がい児福祉計画」に基づき、共生社会の実現に向けて、障がい者及び障がい児一人ひとりの障がいの特性やライフステージに応じた総合的かつ継続的な支援の充実を図ります。
 安心・ゆとりのある地域福祉の充実におきましては、福祉分野の個別計画の上位計画として位置づけられる「第2期地域福祉計画」に基づき、複雑化・複合化する地域の生活課題に対応するため、支え合いの意識と人づくり、自分らしく暮らせる地域づくり、安心安全に暮らせるまちづくりの推進に取り組んでまいります。
 次に、基本方針3「ふるさとに誇りを持てる教育・文化のまちづくり」に関する取組について申し上げます。
 学校教育における少人数指導などによる学力向上では、習熟度別授業等の少人数指導や一人一台タブレット端末をはじめとするICTを活用した学習の推進、毎週土曜日に実施する「土曜未来塾」の継続実施などにより、個別最適な学びの実現を目指し、学力の向上を図ります。さらには、特別支援教育の充実により、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズを把握しながら、適切な指導や必要な支援を行います。
 小中一貫教育推進事業では、「ふるさと嘉麻を胸に志を持ち社会にはばたく子どもたちを育成する」を目標に、令和5年度に、3校同時に開校させた稲築西・稲築東・碓井の義務教育学校を中心に、義務教育学校ならではの教育活動を創出するとともに、施設分離型の嘉穂中学校区、山田中学校区でも小中一貫教育をさらに充実させていきます。
 さらに、コミュニティ・スクール推進事業や郷土を愛する子どもの育成事業にも重点を置き、地域との連携強化やふるさと学習の充実にも取り組み、これらの事業を通して、「就労できる学力や心の育成」を目指します。
 生涯学習の推進におきましては、教育アクションプランの主要施策である「生涯学習の実現を目指す社会教育の推進」、「人権尊重精神を育成する教育の推進」などを柱に、市民の多様な生涯学習ニーズに応えるため、市民一人ひとりが自己の人格を磨き、豊かな人生を送るために、いつでも、どこでも学習することができ、その成果を適切に次世代に活かすことのできる社会の実現を図ります。
 プロジェクトK事業におきましては、荒木式コオーディネーショントレーニングの推進を図るため、市内の乳幼児施設、小・中・義務教育学校への普及に努めるとともに、ふれあい・いきいきサロンや、公民館などにおいて高齢者を対象とした出前講座を実践し、地域に拡がりを見せています。
 今後も精力的な事業展開を図り、「ひとをつなぎ、地域をつなぎ、まちをつなぐ」を基本理念として、身体、脳、心を育み、すばらしい人材育成を目指し、「人材宝庫のまち、嘉麻市」の実現に向けて、スポーツが持つ素晴らしい効果を、単にスポーツ競技に限ることなく推進し、地域の活性化に努めてまいります。
 次に、基本方針4「自然と共生する安全・安心なまちづくり」に関する取組について申し上げます。
 防災・減災対策におきましては、市民の防災意識を高めるため、広報、SNS、出前講座等による適切な情報発信に努めてまいります。
 また、避難所や備蓄品の適正管理を行うとともに、引き続き災害協定について拡充、展開をしてまいります。
 一般国道322号嘉麻バイパスの整備におきましては、バイパスの整備により、移動時間の短縮が図られ、地域間交流や物流活動の更なる活性化に繋がることが期待されます。
 令和5年に、下山田・牛隈間をつなぐ「山田トンネル」が完成しました。現在、県において、2本目の「大隈トンネル」工事も順調に進捗しており、事業区間の整備は着実に進展しております。
 全線開通は、本市の活性化に大きく寄与するものと確信しておりますので、今後も本区間の早期整備に向け、国、県への要望活動を継続するとともに、事業が円滑に進むよう関係機関との連携を図ります。
 公共交通の利便性の確保におきましては、市バス運行形態の改変を行った令和2年度から5年が経過しようとしており、運行開始当初の利用者数から見ますと、令和5年度実績では、年間利用者数が約4万人の増加となり、路線定期運行、デマンド運行ともに着実に利用者数を伸ばし、市民の移動手段の1つとして定着してきたところです。
 直近では、待合環境整備として33か所のバス停にベンチを設置するとともに、幹線路線においては、バリアフリー対応型のノンステップ車両を順次導入するなど利便性の向上に取り組んでいます。また、令和7年度におきましては、運行の効率化を図るため、日祝ダイヤの導入や路線の変更など運行計画の大きな変更を予定しております。今後も「地域公共交通計画」に基づき、市バスの利用状況などを踏まえた安全で効率的かつ利便性の高い運行計画の調整に取り組むとともに、待合環境の整備などによる利用促進を図り、官民が共存し将来にわたって公共交通を維持確保できるように取り組んでまいります。
 環境にやさしいまちづくりにおきましては、自然環境の保全に向け、「第2次環境基本計画」に定めた施策を推進するとともに、環境・経済・社会に関する課題の総合的解決を目標に、持続可能な嘉麻市の実現に向けSDGsの達成を目指します。
 さらには、「ワンヘルス推進基本計画」及び「ワンヘルス実施計画」に基づき、「人の健康」「動物の健康」「環境の健全性」を一つの健康と捉え、一体的に守っていくワンヘルスの理解を広めるとともに、関係各課と連携しながら事業に取り組んでまいります。
 次に、基本方針5「市民と行政による協働のまちづくり」に関する取組について申し上げます。
 人権教育・人権啓発の推進におきましては、市民と行政とが協働し、まちづくりを実践して行くにあたって、「人権」の視点は誰もが関わりを持つべき重要なものとなります。
 全ての行政施策は人権施策であり、様々な人権課題解決への取組は行政の責務であるという認識のもと、「差別のない人権が尊重されるまちづくりの推進に関する条例」の下で「人権教育・啓発基本方針」及び「第3次実施計画」を策定し、取組を継続的に進めております。
 このようななか、司法の場においては、「差別されない権利」が認められておりますが、その一方で、今もなおインターネット上には、特定の個人を誹謗中傷する内容の書込みや差別意識を扇動することを目的とした情報が溢れています。
 また、人権課題についての理解が不十分であることや思い込みから、意図せずに発した言葉などによって知らず知らずのうちに周りの人を傷つけてしまう事案も日常生活における様々な場面で起こっております。
 行政として、それらの人権課題に的確に対応できる資質の向上はもちろんのこと、市民一人ひとりに、身の周りの人権問題に気付き、誰もが直面しうる問題として正しく理解して頂くための人権施策の推進と合わせ、関係機関と連携し、部落問題をはじめとするあらゆる人権問題の解決と、人権が尊重される社会の実現を目指します。
 男女共同参画の推進におきましては、男女共同参画のまちづくりを目指し、「第3次嘉麻市男女共同参画社会基本計画」及び「第2次嘉麻市配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する基本計画」の2つの計画に基づき、目標達成に向け、総合的かつ計画的に取組を行っているところです。
 来年度は、次期両計画策定の基礎資料を得るため市民意識調査を実施します。本調査を基に、市における男女共同参画に関する市民意識の現状を把握するとともに様々な課題について分析を行い、課題解決に向けた新たな目標設定と施策を展開し、ジェンダー平等社会の実現を目指します。
 また、DVをはじめ様々な困難な問題を抱える女性たちの人権が尊重され、安心かつ自立して暮らせる社会の実現を図るため、庁内の関係部署や関係機関との連携を引き続き緊密に図ります。
 市民参画の推進につきましては、まちづくりにおける市民参画や地域コミュニティの果たす役割は、ますます重要なものとなっております。
 また、SDGsという「持続可能な取組」への概念は必要不可欠となりました。
 特に、市民生活を支えるコミュニティについては、これまで地域活動の中心を担ってきた行政区において、人口減少・少子高齢化による担い手不足や地域とのつながりの希薄化による加入者の減少などにより、地域課題への対応が困難となってきており、地域コミュニティの新たな枠組みが求められています。
 本市では、地域における、防災、環境美化、生活支援、見守り支援、伝統芸能の維持継承などのコミュニティ課題解決のための一つの方策として、概ね小学校区単位での「地域運営組織」の設立を支援しており、現在、3地域が組織設立を目指し取り組んでいるところです。
 今後は、市内全地域において、今までの枠組みを超えた住民自治の仕組みが不可欠であり、それぞれの地域特性に合った「地域運営組織」づくりが必要となります。
 そのため、令和7年度からは、地域コミュニティ課題を担う職員専任体制を整え、地域課題に対応できる新たなコミュティの方向性を示し、その構築を推進します。
 旧庁舎跡地の利活用につきましては、本庁、各支所のある地域が有機的に連携し、発展することを目指し、地域整備基本計画に基づき、地域の特性を活かした利活用を図ります。
 行財政改革におきましては、現在、第4次行政改革に取り組んでおりますが、人口減少や加速度的に進展する少子高齢化などによる税収減少と社会保障経費の増嵩、更には公共施設及びインフラ設備等の老朽化に伴う更新経費の財源確保、物価の高騰や賃金の上昇による維持管理経費の増加など、依然として厳しい財政運営を強いられています。今後も、自立した自治体として持続的に発展するため、限られた行政資源を効率的かつ効果的に運用するとともに、歳出削減と歳入増加に向けた事業の見直しや改善を積み重ねるなどの不断の努力により、人口規模に見合った行政運営を行ってまいります。
 特に、市の貴重な財源となっている、ふるさと納税について、一昨年の国の制度改正などにより、大幅な減少傾向にあるとともに、全国的にも、納税額が多額となっている自治体が過度に有利な状況になるなど、二極化が進んでいます。また、近年、ふるさと納税に係る新たな民間サービスが矢継ぎ早に展開されてきており、それらを活用するか否かなど、迅速かつタイムリーな対応が必要となっております。
 そのため、令和7年度からは、専任の職員を配置するなど体制を強化し、ふるさと納税の増収を目指します。
 行政のデジタル化の推進につきましては、令和7年度末までに、全国において義務化されています自治体情報システム標準化及び、国が推奨するセキュリティがより強固なガバメントクラウド環境への移行について、遅滞なく完了させるよう進めてまいります。
 また、嘉麻市独自のデジタル戦略としましては、令和6年2月に策定いたしました「嘉麻市デジタル推進計画(カマデジ)」に掲げています50のアクションプランを確実に実行し、文書、財務会計の電子決裁化などの庁内ペーパーレスの徹底、デジタル化できる事務はすべてデジタル化を図るなど、行政運営の効率化に努めます。さらには、市民の利便性向上を図り、デジタルまつり、デジタル出前講座、スマートフォン講座等によるデジタル啓発を積極的に推進するなど、市民誰一人取り残されない、市民にとって便利で分かりやすいデジタル推進を行い、嘉麻市デジタル推進計画のビジョンである「デジタル・人・自然が融合するまち、嘉麻。」を実現し、日本有数のデジタル先進地方都市を目指します。
 定住自立圏構想におきましては、定住自立圏形成協定と第2次嘉飯圏域定住自立圏共生ビジョンに基づき、引き続き、嘉麻市、飯塚市、桂川町の2市1町がお互いの自主性を尊重しながら、定住に向けた機能充実や地域の魅力向上の推進をはじめ、圏域の住民が安心して暮らし続けられるよう取組を進めてまいります。
 以上、私の基本的な考え方を申し述べました。
 何事も、一朝一夕(いっちょういっせき)にはいきませんが、このような時こそ、辛抱強く、粘り強く、あらゆる可能性を探り解決策を見出していかねばなりません。
 私に課せられた使命を改めて肝に銘じ、誠心誠意、全力を尽くして取り組む所存でございますので、市民の皆様、そして議員各位のご理解・ご協力を切にお願い申し上げまして、令和7年度の施政方針とさせていただきます。

 令和7年3月
嘉麻市長 赤間 幸弘

令和2年度施政方針 [PDFファイル/433KB]

令和3年度施政方針 [PDFファイル/561KB]

令和4年度施政方針 [PDFファイル/514KB]

令和5年度施政方針 [PDFファイル/570KB]

令和6年度施政方針 [PDFファイル/706KB]

令和7年度施政方針 [PDFファイル/337KB]

Adobe Reader<外部リンク>

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)