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長雨・日照不足に関する技術対策について

記事ID:0021154 更新日:2021年5月20日更新

福岡管区気象台は、5月15日に九州北部が梅雨入りしたと見られると発表しました。これは、平年より20日、昨年より27日早く、統計開始以来2番目に早い梅雨入りとなっています。

5月13日に発表された1ヶ月予報では、平年に比べ、曇りや雨の日が多い見込みとなっています。

今後、農作物への影響が心配されるため、以下の対策の実施をお願いします。

麦類

  1. ほ場内の停滞水を排出するため、畦溝や排水溝の整備をおこなう。
  2. カントリーエレベーターやライスセンターは、計画的な荷受け体制を整える。
  3. 天候回復後、収穫期になり次第、直ちに収穫をおこなう。特に穂発芽しやすい品種は、刈り遅れにならないよう注意する。
  4. 倒伏程度が大きいほ場は、収穫、乾燥、調整を別におこなう。高水分の麦は、収穫後に穂発芽や赤かび病が発生することがあるため、直ちに乾燥する。

水稲

育苗期

  1. 種子消毒や播種時の薬剤処理を徹底し、苗立枯病やカビ類の発生を防ぐ。
  2. 発芽障害や発芽不良を防ぐため、催芽を十分におこなう。
  3. 播種後は、過湿にならないように注意する。
  4. 平床出芽の場合、被覆資材での被覆期間は草丈3~4cm程度の目安とし、軟弱徒長とならないよう注意する。
  5. 大雨により苗が冠水した場合には早急に排水をはかり、葉の先端が水面から出るようにする。
  6. いもち病の発生した苗の移植は避け、本田にいもち病を持ち込まないようにする。
  7. ウンカ類の飛来も多くなる可能性があるため、箱施薬剤は登録量を必ず施用する。

移植後

  1. 深水状態が続くと分げつの発生が抑制されるため、除草剤散布時を除き、浅水~間断かん水管理を基本とする。早期水稲は、有効茎が確保され次第、中干しを実施する。葉いもち発生ほ場では強い中干しを避ける。
  2. 除草剤散布後、大雨によりオーバーフローした場合は、雑草の発生状況を確認し、残存雑草がある場合は、早めに中期除草剤での対策をおこなう。
  3. スクミリンゴガイに注意し、発生量が多い場合は、移植初期の防除を徹底する。
  4. いもち病の発生しやすい条件となるため、置き苗は早急に除去し、発生が認められた場合は直ちに防除をおこなう。粒剤は予防効果が主であることから、発生初期までに防除を実施する。
  5. 大雨により冠水した場合には、早急に排水をはかり冠水時間を短くする。十分な排水ができない状況でも、葉の先端が水面から出るよう最大限の努力をする。排水後は、できるだけ新しい酸素を含んだ用水との入れ替えを実施する。

施設園芸

  1. 梅雨明けが遅くなる場合、土壌消毒(太陽熱消毒)開始時期が遅れ、効果低下が心配される。今後の天候に応じて早くに開始できる準備をするとともに、状況によっては薬剤による土壌消毒を実施することも想定しておく。
  2. 梅雨期間を通じて大雨の恐れもあることから、施設周囲の作溝により施設内への雨水侵入を防ぐ。また、オイルタンクの元栓は閉めて、本体が倒伏しないように十分固定しておく。

野菜

  1. 排水溝を整備し、排水を促す。
  2. 日照不足により軟弱徒長傾向で生育し、病害が発生しやすくなっているので、定期的な薬剤散布を実施する。また、病害の早期発見に努め、被害株や被害部位は早くにほ場外へ持ち出し処分する。
  3. 施設栽培では痛風を図り、曇雨天時は寒冷紗等の遮光は避ける。
  4. 曇雨天後の急な晴天時は、強日射により茎葉のしおれや葉や果実の日やけ等を生じるので、適切遮光等をおこなう。
  5. 果菜類では、晴れ間には整枝・摘葉をおこなって痛風と受光体制の改善を図る。草勢が低下している場合には、整枝・摘葉は弱めに行って草勢の維持に努め、また、果実を小さめのサイズで収穫し、着果負担を軽減する。長雨が続いた場合、降雨で肥料の流亡が多く、過湿による根痛み等で吸肥力も低下するので、計画的な化成肥料の追肥や生育状態に応じた液肥の施用や葉面散布をおこなう。

果樹

  1. 開花期の降雨、日照不足により、カキや有核ブドウ、キウイフルーツなどでは風や虫による受粉が妨げられ受精不良となり、種入りが悪くなることで生理落果が助長し、結実不良となりやすい。キウイフルーツでは、天気回復時に人工授粉を丁寧に実施する。また、ブドウでは、開花期間中の降雨や日照不足により単為結果や花振るいを誘発するので、植調剤の利用や摘心をおこない、結実の確保に努める。また有核の「巨峰」で単為結果が多い場合は、果粒肥大のためのジベレリン処理をおこなう。
  2. 枝葉や果実表皮が軟弱となるため、病害が発生しやすい。発生に注意し、防除を徹底する。 (1)開花~落弁期を迎えているカキ、ミカン、ブドウ、キウイフルーツなどでは、灰色カビ病の発生に注意する。また、梅雨が長期化することで主要な病害の発生に注意し、基幹防除に加え、補助防除を追加するとともに、罹病した枝や果実の園外除去を徹底する。(主要病害の例:カキの炭疽病、ブドウの黒とう病やべと病、ナシの黒星病、カンキツの黒天星病、スモモの黒斑病など) (2)収穫を間近に控えた品目では、特に、薬剤による果実表面の汚れに注意して防除をおこなう。 (3)薬剤の濃度は規定範囲内の薄い方の濃度でおこない、可能な範囲で混用散布は避け、単用散布とする。 (4)日中高温時の散布はできるだけ避け、朝夕の気温が低い時に実施する。 (5)傾斜地におけるスピードスプレーヤ防除の際には、作業道の状況を確認した上で事故のないよう万全を期して防除をおこなう。
  3. 新梢誘引・徒長枝抜き等、枝管理を十分おこない、果実や樹冠内部への通風採光を図る。
  4. 施設果樹(ブドウなど)では、果実の着色遅れや糖度不足等果実品質が低下するため、着果量の見直しや反射マルチ、シートマルチを設置し、品質向上を図る。
  5. 土壌水分が高い状態が続くと根の活性が低下し、湿害を助長するため、排水対策に努めるとともに、品目によってシートマルチ等を設置し、雨水の侵入を抑制する。特に耐湿性の弱いキウイフルーツ、イチジク、モモでは注意する。また、根傷み等により樹勢低下が見られる場合は、果実品質への影響がない範囲で、少量の追肥や葉面散布を実施する。なお、施設においても雨水の流入などによる裂果(ブドウ、イチジクなど)の恐れがあるため排水対策に努める。
  6. 長雨・日照不足後の天候回復状況に応じて、急激な土壌乾燥はブドウ、キウイフルーツ、イチジク等の生理障害発生の原因となるので、天候回復後は早めのかん水を実施するとともに敷わら、敷き草等を励行する。

花き

  1. 露地ほ場では、排水溝の傾斜や詰まり等がないかを確認し、再整備を徹底する。また、冠水や浸水した場合には、早くな排水を促す。ケイトウのほ場がまだ出来ていない場合は、簡易のうね立てをおこなうことで排水対策をおこない、天候を見ながらうね立て、マルチはりを行う。
  2. 露地花きでは、キクの黒斑病・白さび病、シンテッポウユリの葉枯病、ホオズキの斑点細菌病等の発生が心配される。雨間の晴天や曇天が一定継続する期間を逃さず、適期防除に努める。
  3. 梅雨期間が長く降雨量が多い場合は、肥料の流亡が大きく生育が抑制される心配がある。葉色や生育を見ながら適切、液肥や葉面散布剤を施用し草勢の維持を図る。
  4. 施設花きでは、高湿度による灰色かび病の発生や日照不足による茎葉の軟弱化が心配される。痛風を図り、曇天時は寒冷紗等の遮光は過剰にならないよう注意する。また、予防散布に重点を置き、適期防除に努める。
  5. 曇天後の急な晴天では、強日射により茎葉のしおれや葉・花やけ等を生じるので、適切遮光等をおこなう。
  6. トルコギキョウの冷房育苗では、外部遮光は低率の寒冷紗に交換し、天候に応じて内部遮光の開閉で調節することで、適切な照度管理に努め、健苗の育成を図る。
  7. キク類では、親株が軟弱に生育し、採穂数を多めに確保する。また、冷蔵中は定期的に状態をチェックし、腐敗しそうな場合には、穂冷蔵期間の短縮などの対策を行う。穂冷蔵を短くする場合は、苗冷蔵等で低温遭遇期間を調節する。

畜産

  1. 畜舎や倉庫内の多湿状態が続くと判断されるので、舎内を清潔に保てるよう換気や敷料のこまめな交換に注意する。
  2. 飼槽や水槽の清掃が励行し、カビや異臭の原因を取り除き、家畜の採食性が低下しないようにする。
  3. 飼料のカビ発生防止に注意し、カビが生えた飼料は絶対に給与しない。