お知らせ:新入りの発見

新入りの発見②  『ギャラリートークの落とし穴』

大好評シリーズ「新入りの発見」の第二弾!

今回はギャラリートークのお話しです。

 

 

美術館に行こうと思い立った時には、とりあえずチェックをするホームページ。

私がまず見るのは展覧会内容。次に見るのは会期。そして何気なく確認するのがギャラリートークの予定。

 

わざわざ美術館に行くのならば、ギャラリートークも聞ける日に行くと一石二鳥かなと思っておりますので、ギャラリートークの日時もチェックし、都合がつけばこっそり聞きに行っております。

 

私だけでなく、世界の人類はみんな同じ気持ちでギャラリートークをこっそり狙っているものだと思っておりました。

なのでホームページに予定を書いていれば誰か来るだろうと思っていたのが甘かったです。

 

 

 

担当学芸員が勝手に盛況だったと思い込んでいる「春のコレクション展2016~ホンモノだから見得るコト~」が無事に閉幕いたしました。

その最終日にあたる4月17日にギャラリートークを行いました。

 

ギャラリートークを狙って来館された方はなんと1人!!

しかもその1人は当館のボランティアさんでした。

ギャラリートークが始まる直前に自分以外に誰も集まっていないという緊急事態を察知したそのボランティアさんは携帯を取り出し、他のボランティアさんに連絡をしてくれました。

 

しかし突然人が集まるわけもなく、来館者1名に対し、取材のテレビの関係者の方が多いという何ともお恥ずかしい事態に。

 

そして定刻を迎えようとしたときに幸運にも3名の来館者が現れ、4名の参加者と共にギャラリートークをスタート。

 

ついつい熱く語りすぎ、1時間も話してしまいましたが、途中から参加された方も含め8名の方々に、今回の展覧会の魅力と、知識など関係なしに美術の鑑賞を楽しむことができる技を、一子相伝の勢いで伝授できたかと思います。

 

始まる前は絵画鑑賞に慣れている人には物足りない内容かもしれないと心配しておりましたが、当館スタッフ調べによりますと「だんだん絵の見方がわかってきた」「なかなかこんなにじっくりと絵をみない」「今までとは違った絵の見方を知った」との感想を、絵画鑑賞に慣れている人からもいただき、ほっとしました。

 

 

今回は企画が面白かったと自画自賛しておりますので、語り始めれば美術の魔力に魅せられると思っていましたが、人を集めることをもっともっと入念に考えるべきだったと反省しております。

 

この反省を胸に、次なるギャラリートークを計画したいと思います。

 

 

 

学芸員 三戸

新入りの発見① 『初の大仕事』

入口

平成27年の4月から織田廣喜美術館にやってきた新入り学芸員の三戸が、感じたこと、ちょっとした気になったことを不定期で連載していこうと思いついた企画「新入りの発見」。気づいたことがあり次第、拙い文章ですが、お知らせしていきます!

今回は企画展が開催されるまでの裏側です。

織田廣喜美術館では「春のコレクション展2016~ホンモノだから見得るコト~」を開催しております。

この企画展は、新入り学芸員の私が、初めて担当した企画展となり、何から何まですべて思い悩み、思い詰めてやりました。

今まで全国各地の美術館・博物館・博物館相当施設に行って観ることはしておりましたが、いざ展覧会を企画からすべてやってみると、こんなに大変なのかと感じました。

展覧会を開催するにあたり、必要なことがたくさんあります。

少しずつですが、ざっくりとご紹介します。

・企画

展示とはただモノを陳列するだけではないと言われるように、展示にはコンセプトが必要なのです。

今回の春のコレクション展は実物資料とポストカードを見比べることにより、実物の威力を、パワーを感じてもらおうと思い計画しました。

・作品の選定、展示計画

コンセプトが決まると、どんな作品を、何点くらい展示するのかと作品の選定に入り、選んだ作品で展示計画図を作ります。

これがまた時間がかかり、実際のところ図面上ではよく分かりません。図面を作ることで分かるのは、作品の長さの和が壁の長さより長くなっていないことくらいです。

 

・あいさつ文やキャプション等の展示物

あいさつ文はどの展覧会もだいたい入口あたりに長々と書いてあるアレです。

私は今まで他の美術館に行っても、あいさつ文はさらりと読み流す程度で、注視したことがなかったので、作成に苦戦しました。これからはあいさつ文にも細心の注意を払い展覧会見学をしようと心に決めました。

キャプションとは作品の横などにある、作品のタイトルや制作者、制作年や素材・技法等が書いてある小さな説明文です。何を書く必要があるのかなどのルールはなく、詳細な説明を長々と書くこともあれば、キャプションを設置しないことも許される自由なものなので、展覧会に合わせて考える必要があります。

 

・展示作業

当館の展示室は企画展が開催されてない時には、貸し館として会場を貸し出し、みなさんが御利用していただけますので、当館の特別企画展が開催されてない時でも使用中なことが多く、展示作業に日数は割けず、一気にやってしまいます。今回は2日間休館して行いました。

しかし、この展示作業がまた難問なのです。

展示計画図を基に作品を配置し、実際に作品を収蔵庫から出して並べてみると気づくことがたくさんあります。毎日見慣れた展示室の空間に対して、予想していた以上に作品が大きい小さいがあり、作品と作品の間をどのくらい離すのか近づけるのか、高さはどうするのか、そもそもこの順番で並べることにより展覧会のコンセプトを伝えることができるのかなど、挙げたらきりがないくらいです。

 

・目録の作成

目録も様々なスタイルがあり、どんな情報を、どんな風に紙に印刷するのかは自由です。しかし展覧会を行うにあたり、必須アイテムです。確かに展覧会に行ったら、いつも受付で頂くのですが、手荷物になると思い、即カバンに片づけていた私をどうかお許しください。

・ポスター

当館では、会場の入り口で展覧会が開催されていることをアピールするためのものと、他の施設などに織田廣喜美術館で展覧会が行われていることをアピールするためのものと2種類つくります。

 

・プレスリリース

新聞社へ取材のお願いのために資料を作成します。

これも時間がかかりました。今まで取材の依頼をしたこともなく、新聞社で働いたこともないので、どんな形でお知らせしたら新聞社さんが来てくれるのかも分らず、苦労しました。

・その他

今回の展覧会においては、ポストカードと見比べるために、見本となるポストカードのセットを作る作業もありました。

 

どこの館の学芸員も展覧会の度にこの量の仕事をしており、さらに展覧会以外にも業務はあるので、そのことを考えると、超人的な仕事だと、学芸員1年生としてしみじみと感じております。

そんなこんなで開催に至った「春のコレクション展2016~ホンモノだから見得るコト~」に遊びにきてみませんか。

最終日には担当学芸員の私がギャラリートークを行います。この想いを熱く熱く、それはもう暑苦しいくらいに語ります。

ギャラリートークのごあんない

日時 4月17日(日)13:30~

会場 嘉麻市立織田廣喜美術館展示室5

 

 

学芸員 三戸

新人学芸員の第一歩!

博物館実習の際に「学芸員の仕事の中でも、ギャラリートークは最初の仕事で、どの学芸員も通る道だ。」と教わりつつも、この春に織田廣喜美術館にやってきた私が、今回初めてギャラリートークを担当することになりました。

10月16日に桂川小学校の4年生85名が遠足で琴平公園にやってきました。

そして美術館にも遊びに来てくれました!!

初めてギャラリートークとなり、85名を前に緊張感がひしひしと。

4年生ならば美術館に行ったことある人が多いのかな?と思えば、今までに一度も美術館というものに行ったことのない児童の数が半分ちょっと。まずは美術館で守って欲しいルールの説明をしっかり聞く児童たち。そして予想以上に静かに話を聞いてくれる児童に、より一層緊張する学芸員の私。

 

美術館で守って欲しい9つのルールを学ぶと、いざ展示室へ!

自分の好きな絵を思い思いに鑑賞し、感想を発表してもらいました。

 

「色使いが気になる」や「電柱の描き方がリアルで良い」など、評論家顔負けの感想を答えてくれる児童たち。

最後に当館自慢のコレクションの「讃歌」を前にクイズを1つ。

「讃歌の中に描かれている人の数は何人でしょうか?」

10人、11人、はたまた9人か。

 

正解をみんなで数えてみましたが、児童の方がよく見ていて、私の方が間違っていたようです。

事前に確認をしていたのですが、見落としておりました。

今回、初めてのギャラリートークでしたが、児童の話す人へ向ける真剣な眼差しと、発言への意欲が高く、こちらも熱が入り、長く話し過ぎた感じが・・。

次回はもっと手短に進行できるよう、心がけたいと思いました。

学芸員 三戸